浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

Prezent For You

今週のお題「ふつうに良かった映画」

…ということなのでこれで書くけど「ふつうに」って何だ。「良かった映画」じゃダメなのか。

松江から広島バルト11までは約180キロある。ぐぐるマップ調べ)車で行くとなれば有料道路を駆使して3時間超、駆使しなければ4時間超。そこから映画を観て帰り道どうすんだということで、観に行くべきか行かざるべきかは本当に迷ってた。ただ、伝え聞く情報を読むと私を呼んでいる映画のような気もしていた。映画のスケジュールってさあ…木曜とか金曜にならないとわからないから予定を立てづらいんだよねえ…。結局高速バスで行ったんだけど、これはDVD化されるかどうかもよくわからないからであって、あまりお勧めできない無茶です。映画だけでなく舞台とかファンミとか、「本当のファンならどれだけお金や距離がかかっても行くものだ」という人もいますが、私は自分がやるのはともかく人にそれは勧めません。だって帰ってきたらめっちゃヘトヘトだったもの(´;ω;`)ブワッ お金も気力体力も無限にわくものじゃないからねえ…。幸いにも私に合う映画でした。良かったε-(´∀`; )

この映画の情報を聞いた方がどれだけおられるのかは把握できてないのですが、人形アニメと聞いてポップでかわいらしいものを想像してなかったでしょうか?そのイメージは今すぐに捨ててください。どういうイメージを持ったらいいかというと難しいけど、たぶんリバースエッジが好きな人ならこっちも好きになれる「人もいる」んじゃないかなあ…。実に人を選ぶ映画です。上映館が全国9館なのも頑張った方じゃないかなあ…。ただこの映画を好きになる人は全国にポツンポツンと少しずついるように思います。視聴率に換算するなら3%くらい。何にしても大衆に受け入れられるに越したことはないけどそれだけがこの世の「正解」であるかのような風潮はちょっとなあと思っていたり。
ストーリーを考えるのではなく世界観を感じるタイプの、愛とエゴがデラックスな映画でした。
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ゴールデンエッグス / The World of GOLDEN EGGS シーズン1 DVDボックス

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 いろんな映画の予告編と広島の地方CMの後に映画泥棒が出るいつものパターンの後にアニメが始まって、「おや広島では上映マナーの注意はこんな感じなのか」と思ったら何か違う…?えっもう映画始まってるの⁉︎

_人人 人人_
> そこから<
 ̄Y^Y^Y^Y ̄
…という驚きがまずあったのであのアニメがどんな内容なのかは頭に入らなかったけど(小声)本編がクセがありすぎることもあるのであれは「前座」「前説」という解釈でいいのかな?たまにEテレをつけるとやってる妙にエッジの効いたアニメや幼児番組とノリは近いのかもしれない。
本編は本編で、なぜ人間と人形が入れ替わるのか、なぜ人間と人形が同一画面に存在するのかとか、そういう「なぜ」を考えてしまったら話に入れなくなるだろうな。観ているうちにだんだんこちらも慣れてきて、あの決してかわいくはない人形も愛嬌があるように見えてくる。そして人間パートがやけに生々しく見えたりもする。仮にこれが全編人間だったらグロテスクすぎて受け入れ難いかなと思った。特に由貴の出生の秘密。フィクションだと理解はしても「宗岡が女と別れるために手下に集団暴行させてその結果出生したのが由貴」(←反転)というのはキツいものですぜ…。かといって全編人形だとどうなのか?愛嬌が出すぎてこの奇妙な薄暗さがぼやけてしまわないか?そういう薄暗さと愛嬌のバランスを取るための人間+人形のWキャストなんだろうか。なぜ3Dなのかといったら、人形の立体感の表現のためかな。
ずっと解説で「梶原は運ばれてきた人間を消す仕事をしている」と言われてたから少々身構えて観ていたところはあったんだけど、あれはつまり最初のおじいさんを手にかけた後にもう殺しはやりたくないと思ったから以後は殺人を偽装してきたのだな…。この街に住む人の中に同じような「元・消された」人もいるのだろうな。これを愛がある、優しいと捉える人は極少数だと思うし、今はマッサン程度でクズと罵るほど「正しさ」を求める向きが多いからむしろ反発されるのかもしれない。私自身はこの割り切れない淀みの中でのもがきやら、その中の小さな綺麗事やらは結構好きです。本当は綺麗事がいいんだもん。(ぇ 
高速バスで広島まで行った甲斐があってよかった、本当に。たまには無茶も必要なのかな。