浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

おはようからおやすみまで暮らしを見つめるとと姉ちゃん(10月3日追記)

三女の美子が本役になってから感想を書こうと思ってたら放送開始から2ヶ月を過ぎようとしている。えー、始めに申し上げますと現時点でとと姉ちゃんに対しての印象は「ものすごく酷いわけではない、しかしどう見ていいかよくわからない」といったところです。これから今思っていることを書きだしていきますが、あまり褒めてる感じにならないのでこのドラマが大好きという方はここでこの記事を閉じてもらった方がいいと思います。

連続テレビ小説 とと姉ちゃん Part1 (NHKドラマ・ガイド)

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放送開始前の印象

暮しの手帖について何の知識もない私は最初の制作発表「くっつかない男女のバディものなのかなあ、だから脚本家が西田征史さんなのかなあ」と考えました。やがて「魂のパートナー」と称されている花山伊佐次のモデル花森安治氏についてのトリビアも流れてきて面白い人だなと思いました。男性でスカート!スカート!(そこかい)そして最初のキャスト発表魂のパートナーどこや⁉ここでどうも花山さんの出番は後の方らしいと気づき、「あっこれ思ってたのと違うな、ヒロインとその家族中心のドラマっぽい」と思い直しました。その後花山さん役が唐沢寿明さんと発表されて予想外だったものの高畑充希さんとはだいぶ歳が離れているからちゃんとラブじゃないバディとして成立しそうでよさげだなあと思い放送開始を待つことにしました。

 

MOZU姉ちゃんとと姉ちゃんはじまた

ヒロイン常子始め小橋三姉妹の父親(とと)役は西島秀俊さん。

劇場版MOZU プレミアム Blu-ray BOX

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いよいよ死にそうになった時にチャオコプターが現れるんじゃないかという脳内妄想と戦いつつww第1週の映像は本当に綺麗で落ち着いていて、ととが病に侵され徐々にその存在が失われていく悲しみをも映し出していました。幼い常子が一緒に花見をしたいがために布で偽物の桜を作り出すのはおそらく彼女の「ととのようになりたいがととそのものにはなれない」というこれからを暗示していて、それは「もうかなり結核が進行しているととを外へ連れ出すのって体力的にも感染対策的にもどうなの」というツッコミどころもあるんですが、画の力で凌駕させていました。

 

ふじさんふじさんふじさんふじさん①

ととが死の直前に常子に家族を託すことについてはTLでも呪いだとかあの状況では長女に託すしかないじゃないかと紛糾していまして、自分としては強すぎる願いは受け取る側の気持ち次第で指針にも呪いにもなるってだけでこれは正しいとも悪いとも言えないんじゃないかなと思っています。ただ第1週の最後の方で気丈に振る舞わねばと泣かないでいる常子がかかの促しによって大声で泣けたのを見て、常子1人だけではどうにも心もとないが家族みんなでブレーキをかけることができるなら大丈夫じゃないかなとも思いました。運動会での二人三脚みたいに、みんなで協力し合ってゴールに向かっていけたらいい。

 

ふじさんふじさんふじさんふじさん②

常子はよく空回りします。まあ朝ドラヒロインにはよくあることです。毎回毎回お金を手に入れようとしては大失敗。その中で成功したと言えそうなのはやはり運動会で他の邪念をいっさい捨ててふじさんふじさんふじさんふじさんと唱えながら無心で二人三脚をした時かな。たぶんこれからも常子は何か儲けようとしては大失敗を続けて無欲で臨んだ時にだけ成功すると思います。

 

いい画を見たらそれだけでわりと観続けていける(個人の意見です)

第1週は子供の常子から見た、ととが作り上げたユートピアなのかなと思いました。以後は徐々に画面が慌ただしくなっていると思っていて、それはととの死後彼が作った世界が崩壊したということと解釈しています。第1話冒頭の様子から察するに、このドラマは小橋3姉妹が大人になって自分たちの原風景を取り戻すか、新しい世界を作り直すかどちらかの物語なのではないかと。なので現在の画面がどこか落ち着かない感じになっているのは常子の心象風景でもあるのだろう…と…好意的には解釈したいのだけど…9月の設定で滝子おばあ様の口から白い息が出ているというのはさすがに擁護できませんぞ…( 一一)このシーンを観ていた時、仮面ライダークウガBlu-ray1巻特典映像のインタビューで出てきた「春のシーンだけど収録が冬なので白い息が出ないように冷たい水を飲まなければならなくて大変だった」という話が頭の中をグルグルしていました。私の中でこの時にとと姉ちゃん制作陣への信頼について大きな失点ができて、以後それを補うほどの加点がつかないまま現在に至っています。で、今の展開は時代が戦争に向かっているということもあるのか常子の周りの世界の描写がどんどん狭苦しく見えていて、これがいつまで続くのか、そもそもこの展開自体に意味があるのか、スローな展開なのも相まって迷路に迷い込んだ気分になっています。まだ美子が本役になってないから、きっとそこからが本番だからと思い直してみるものの、そこから面白くなる保証が本当にあるのかもよくわからなくなっています。私の脳は結構単純なので、とびきりの美しい風景とかパアッと開けた広い画とか見られたらそこで気分をリセットできるのですが。

花束を君に

花束を君に

 

とか言っててこの後ブーストがかかって手の平を返して絶賛してたら笑ってやってください(=゚ω゚)ノ※以後記事を書かなかったらお察しください…

 

(ここから追記分)

結局この記事を書いた週(第9週)に脱落。ここの辺りの展開ではタイピストとして就職したが技術じゃなく顔で採用されていたということで女性社員の反感を買いいじめにあう常子。そして彼女たちが男性社員から雑用を押しつけられそうになったりして頑なになっていることも明らかになっていく。仕事を回してもらえない常子は雑用を引き受け手書きで清書の仕事をして、男性上司に丁寧な仕事をほめられ、女子社員とも仲直り…この時点で「自分とここの制作陣とは価値観が違うのではないか。もし後半への布石だったとしてもそれがわかるまでいつまでいじめのシーンを見せられるのか」と思ったため。辛い目に遭う展開がないと話に重みがないというのは理解しつつ、いじめのシーンを観るのって私にとっては子供時代のかさぶたを剝がされて見せつけられるのと同じなのでね。

価値観の違いはもうどうしようもないから以後はなるべくこのドラマについては何も言わないようにしてきたけどその後Twitterではどんどん肯定派と否定派のいがみ合いがひどくなっていきげんなりしたなあ。普通に楽しんでるだけの人をどうかしてると貶す否定派もアレだけど、その否定派を批判してる肯定派の人を見かけても「この人あさが来たの時は"楽しんでる人にはこの程度でいいんでしょうけどねっ!"って吐き捨ててたよね」と苦笑いするしかなかったりとか、てるてる家族と比べて貶さんでくれてるてるの印象が悪くなるとかなあ…あの「反省会タグ」っていうのは肯定派と棲み分けするためにできたということだけどいやいや全然棲み分けられてないよと思ってた。SNSって基本的には人と繋がってコミュニケーションを取るためのものだから鍵をかけてない限りは誰でも見られるし、誰でも入って来れるから。現に脱落してドラマ観てない私にもリツイートで毎日見える状態だったし。Twitter公式アプリにはワードミュート機能がないため、使えるアプリを探すものの今度は実況などで使いにくくなるという不都合が続いたものだった。

こんな状態がこの先もずっと続きそうなのでしばらく(おそらく年単位)で朝ドラの視聴はお休みします。再放送枠もごちそうさんが終わったら休むと思う。いつか興味が出る朝ドラが始まった時には平穏な気分で観られることを願って。