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浅羽ネムの長いひとりごと

思いついたことを書いたり描いたりしてるブログ。あくまで主体がTwitterなのでコメント欄はなし。ネタバレ自重しません。

湯を沸かすほどの熱い愛(1月11日Tジョイ出雲で観賞)

映画感想 odagiri

…えー…さてどうしたものか…。

ちょっとこれは朝ドラ視聴をしてた時によくぶち当たっていた「自分と作者の価値観が違いすぎててコンフリクトが発生」というやつが起こってしまったかもしれません。何とか言葉を選んだ感想を書くことを心がけるつもりですがこの映画に感動したって方は以下の文章を読まずにバックした方がいいかも。断っておきますがキャストは全員良かったです。特に宮沢りえさんはそりゃ本作で主演女優賞総ナメにするわと納得です。

『湯を沸かすほどの熱い愛』オリジナルサウンドトラック

『湯を沸かすほどの熱い愛』オリジナルサウンドトラック

 

 

youtu.be

振り返ってみるとこの予告編を初めて観た時から「私は“いじめに立ち向かえ"よりも“いじめから逃げろ”と親に言ってほしい子供だったな」と思ってたんですよね。逃げるは恥だが役に立つです。なお人の顔を見られなくなった中学生の頃「そんなだからいじめられるんだ」と言われた記憶は今関係ないですね。本作の場合双葉が死んだ後安澄が遺されることになるため困難に立ち向かえない弱い子のままではいけないというのはわかるんだけど、でも一浩父ちゃんを連れ戻した時点で少なくとも娘に居場所はできてるじゃないって思ってしまい。頼りがいはないけど同じ目線で考えてはくれる人だと思うよあのお父ちゃん。でもそれよりその立ち向かい方だな引っかかったのは。「16の子が制服を盗まれて抵抗を貫くためにジャージを脱いで下着姿になる」(←ネタバレ防止のため白文字反転)って…なあ…これはその子供が男の子か女の子かは関係なく、その子は明日からまた何事もなく登校できるものなの?そういうのを強さを身につけることだと言うのなら私はそのまま屋上から飛び降りる方が強いとか無茶言っちゃうよ?でもそんな強さ必要ないからそいつらの目が届かないところまでとにかく逃げ延びて命をつなぐことの方がよっぽど強いと私は思うよ?*1

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お父ちゃんかわいいよお父ちゃん。本作におけるポジションは…たぶんマスコット♥(身長176cm・年齢40歳)ですね…。最後の最後までスケールが小さいのが一周回って愛しいよお父ちゃん。双葉と一浩はセリフではあまり多くを語っていないのにどういう夫婦だったかものすごくよく見えてきたのは演技と演出の賜物だなあと思った双葉さん…娘にはいろいろ戦わせてるのに夫は目の届くところにいる分には割と自由にさせてるな…と気づくとまた別の問題が出てくるがそこはまあ置いといてだな。

劇中ではみんなが双葉のことをすごいお母さんと言っているんだけど、私はこの人はすごくエゴイストだなあと思った。それが良いとか悪いとかいうことではなく。血のつながった実母には存在を消された彼女が死の間際に縁あって関わった人たちを一ヶ所に集めて新しい家族を造り上げ、赤い煙となって旅立ってゆく。そして遺された者全員が双葉とは血が繋がっていない。その心には永遠に「すごいお母さん」が刻み込まれている。それ…は…「いい話」ナノカナー…まあ当人たちは前を向いてるしこれはこれで…イインジャナイ…カナー…うんごめんなさい、この感想の最初の方でもう皆さん気づいてたと思うけど泣きも感動もできず、ただ首を傾げながらキャストは皆さんすごく良いので観られた感じでした…。繰り返しますがキャストは本当にみんな良いんです。臨終間際の双葉ね、本当に「ガンが全身に転移してもうかすかな反応しかできないが話しかける声は聞こえていて懸命に応えようとはしている」んですよ。あれは凄く圧倒されました。*2

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ここまであまり褒めてないのも何だからオダギリジョー松坂桃李の会話シーンでも貼ってみるとしよう。

最後に。国内の数々の映画賞をかっさらってるようなのでこの監督の次回作もそう遠くないうちにあると思いますが、その時にはポリティカルコレクトネス的な視点を持てるアドバイザーをつけないとまずいと思います。どうしてあんなに少女や幼女の下着や生足にこだわってるのか、その視点ってこの話に必要なのか不可解だった。例えば坂本浩一監督が女性の生足アクションにこだわってる光景は「好きなもの詰め込んだんやなあ」って思うだけでそこまで引っかからないんだけど、なぜ本作では激しく引っかかったのか自分でもわからないところ。「演出意図を理解して覚悟が決まっている大人の女優さん」と「そこまではさすがに理解できてないであろう年端もゆかぬ子役ちゃん」の違いかなあ。

*1:…いかん、いじめのことだと何かいろいろとヒートアップしてしまうわ。だから私は学生が青春とか恋愛とかする「普通の映画」を避けてしまうんだ。私にとってはそういうのはヒーローが世界を巡って争うことよりもよほどありえないフィクションだから。

*2:どうしてそういう光景を知ってるのかって?まあそれなりに長く生きてるといろいろなものを見るってことですよ