浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

カムカムエヴリバディ第19週「1992-1993」(ひなた編5)

五十嵐(呼び捨て)、かつてはアラカンの50倍とか名乗ってて、その頃は夢に近づくために真面目に死体演技の稽古もしてたんですよ…それが悪酔いして主演級の役者に絡むなどとダメすぎるほどに腐っちまって…。でも一度は光が見えた後で停滞が続いたらこうなってしまうものというのは割と誰にも思い当たるところがあるのではないかと。

それを一番理解していたのがジョー。何しろ夢破れて28年。いつものんびりとしてるけどたまに何かひらめいて五線譜を書いていたり、何かにつけてリズムを取っていて決して音楽に未練がないわけではない。でも今では有名なトランペッターになったトミーの曲を聴けないままでいる。ただ葛藤はありながらもジョーは今穏やかに生きていけているのも本当で。今は苦しい暗闇の中にいると思っている五十嵐もそれまで歩んできた道は決して無駄なものではなかったと思える日が来るのだろうか。

ところで思うんだが…たぶんトミーはアメリカまで行っても「何でジョーがここにおらんねん」と拗らせながらトランペッターを吹いてそうだし事情を知らない評論家が「光と闇が混ざり合った素晴らしい音色だ」とか評価してるのでは…。

ひなたは生まれついての光の子。心に傷を負ったるいとジョーが暗闇の中で出会ったことで生まれた希望の子。今は傷ついているけど腐らず虚無蔵さん言うところの鍛錬を日々怠らなければまた光が見えるのかもしれない。そう、ひなたが子供の頃早々と脱落してしまった英語講座をずっと聴いていて日常英会話を話せるようになっていたるいのように。

朝ごはんを作りながら英語講座を聴いてるるいのシーンを何回か挟んでた方が良かったんじゃね?VS今はひなた視点なんだから彼女が見てないところは映さなくてもええじゃろがい

今週はずっと挫折と日々の鍛錬の話をしているのだけど、るいも7歳で安子と訣別した時に英語を挫折したようなものなわけで、それがジョーとの出会いで自身のルーツに立ち返り娘が習いたいと言ったことがきっかけで英語に向き直り、気づけば17年続けていた。そこには母へのわだかまりもだいぶ薄れていることが感じられる。

まあカムカムって展開が爆速なこともあって感情の動きは観てる方の補完が必要なところが多々あり、老若男女が観る朝ドラとしては痛し痒しかもなあとはちょっと思いますね。

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さて絶賛凹み中のひなたと恋に破れ放心のあまり野球部のレギュラーにも落ちやぶれかぶれで万引きをやらかした桃太郎の喧嘩に割って入りトランペットを構えたのが登場人物の中で一番長い挫折をしているジョー。果たして吹くのか吹かないのかその答えは来週月曜日だ。

ところでワイ、西日本の人間なのと当時はアニメ特撮以外のものにほとんど触れてなかったのでシンデレラエクスプレスのCMを観たことないんだ。