浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

ウルトラマンデッカー〜勇敢な戦士が彼方の未来を創っていくんだ〜

すごいエネルギーが出てる 

ゆるいwwwww

アガムスの回想で映し出される在りし日のレリアが言っていたあの単語の羅列は彼女が覚えた地球の言葉。それは彼女が地球を想っていた証。悲しみと後悔の中で思い出すうちにアガムスには呪いになってしまっていたのは悲しいことだったがようやく正気を取り戻すことができた。「救う」とは怒りや恨みに支配された心からの解放だった。

トントン紙相撲が強そうなデザインだな。ダイナ版のスフィアって基本的に地球人を下等な生命体と舐め腐っててそんなのが宇宙に進出するのを止めようとしていたのだけど、デッカー版の方は完全に“善意”なのですな。過ちを犯す愚かな人間を一つにまとめて“あげよう”とする。そうすると例えば戦争が起こらなくなるとかなので一見悪くないようにも思えてしまうのが怖いところだけど、でもそれは生きているとは言えなくなるわけで。

前半は未曾有の困難が起こった中で未熟な者たちが持てる力を尽くして突き進んでいく物語。トリガー時代との整合性も持たせつつも地道に進行。

後半は進化の結果起こった悲劇を挟みながら、それでも未来に進むことを諦めない人間の可能性の物語。

一貫して「人間の物語」*1だったと思っております。思えばこの3年ほどの間に起こったリアルの出来事を見ていて、どんな困難にも一丸となって立ち向かう光景は絵空事だとわかってしまった。互いの意向の違いから衝突したり事態を悪くさせたり、人間は賢くないし時に自らを窮地に追いやるような行動まで取ってしまうちっぽけな生き物だ。しかし目の前の一つ一つのことに不器用でも生真面目に取り組み、支え合って大きなことを成し遂げることもできる。その姿はとても尊い

それを意外性がないしバズり要素もあまりなくてつまらないと思う人もいるのだろうけど、ハイテンションに大騒ぎする作品だって楽しいけどそれだけではお腹がすくの。*2世の中の様々なことを見て今良くない方向に進んでいるのではないかという不安はあって、そんな時でも「でも人間そんなに捨てたもんでもないですよ」と言ってくれる作品だって必要だと思うんだ。みんなが一つの方向に進むよりバラバラな考えで進んでいくのは軋轢も大きいし時に苦しみも生むことだけど、でもその方がしっかりと“生きている”ことだと思うの。半年間まっすぐに誠実で堅実な物語は楽しかったです。ありがとうございました。

月初の商品情報で既に正体わかってたけど言っていいのかわからなかったので言及できなかった紫のウルトラマンでございます!

  • スフィアバリヤーがなくなったから宇宙からの脅威が来る、何かワクチンが普及してどうにか希望が見えてきたと思ったら戦争の気配が近づいてるリアルと重なってしまってるんですが…
  • あっディナスも生真面目に無茶を重ねるタイプだなこれ
  • 女性が変身者だけどウルトラウーマンではないのは何かあるのかな。TDGと同じように光自体には意志がないとか?
  • 本編内でデッカーの力は子孫から借りたものとなってるわけだが僕らがずっとデッカーと呼んできたあのウルトラマンは結局何者なんだ…?という疑問は解けるのだろうか
  • 本編内ではギリ回避したがカナタもディナスも自己犠牲はやるなよ!絶対だぞ!

去年は山陰おま県されたけど今年は鳥取でやることになったので雪が降ったりしなければ劇場で観られるけど、「特別映像」が気になるので観るのはツブイマが先になりそうかな。

*1:人間と書いてますがAIや地球外生命体など個々の力を己の最善と思う方向に尽くす存在全てを含めております。

*2:これは特定の作品を指して言っているのではなく全体の傾向を見てのことですよ。