浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

au FG LIFETIME BLUES 第60回

2番目の話は“正解がない話”だと思った。「少年院のような施設」を出て居場所がなくマンションの外階段に座り続けていた少年。管理人はそんな彼に食事と寝床を与えたが部屋にあったありったけの物を持って逃げてしまったと。話を聞いた投稿者の「酷い。恩を仇で返すとはこのことだ」は正論だ。しかしそれはそういう立場に落ちたことのない“持てる者”の見解でしかないのかもしれない。管理人の「人のことを悪く言ってはいけないよ」はそんなことを見透かしているような気もするが、いずれにせよ少年がこれ以上の悪い道に行かないよう祈るしかない。そして彼は差し伸べられた手は振り払って裏切ってはいけないものだったと気づく時は来るだろうか。