浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜、蔦重にべらぼうな夢はあるか

f:id:asanem800:20250228204213j:image「本当に抱いたら2人とも不幸になってしまう」ことに思い至らずに描いた絵をご覧ください。

吉原の男は女郎に手を出さない、それはそう。女郎は“商品”だから。多くは口減らしのために売られ、年中きつい働きをさせられ、年季明けを待たずに体を壊したり命を落とす女郎も多い。男に惚れたとてそいつがまとまった金を持ってなければ身請けなど夢のまた夢。逃げ出そうとすれば捕まって折檻される。逃げおおせたとしても一生終われる身となる。トップ花魁の瀬川とてそれは同じで、本心では蔦重を思っていながらも結ばれることはない。蔦重もそんな彼女を迎えることなどできやしない。

蔦重はそんな女郎たちがちゃんとまともな飯を食えるように、酷い客に酷い目に遭わされないように吉原を皆が憧れる夢の城にしたいという野望を持つようになった。それは現状の吉原を思えばあまりにもべらぼうな夢だ。しかしそれは吉原という地獄で生きるしかない女郎たちの救いになるのかもしれない。

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ただ、同時に思うのです。蔦重は女郎の仕事がとても辛いことは知っていても言うて男なのでその辛さを「身をもって」知ることはないし、女が食うために体を売ること自体は否定していない。それは彼が吉原の中で生きてきて「そういうもの、そういう場所」という認識だからであり、責められることではないが、しかし…と思うのは現代人目線なのでしょうかねえ。遊郭のシステムは江戸時代が終わっても続くのでこのドラマではそこまでは触れないことなのかもなー。

Q:瀬川最後の花魁道中美しかったですね、最後蔦重と瀬川が目も合わせないのに心だけ繋いだままというのが粋でしたね、そういうの描かずにお前何ノスタル爺とかタローマンとか描いてんの???

A:私に美しい絵を描ける力があれば書いてましたが人には芸風ってあるんすよ…。