浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

ウルトラマンブレーザー最終話「地球を抱くものたち」

脚本:小柳啓伍

監督:田口清隆

半年かけて言葉は通じなくとも共に戦ってきた“仲間”を置いていくわけにはいかないのでブレーザーくんを地球に連れて行くの、そしてブレーザーくんが初めて喋った言葉が「オレモイク」なのもう積み重ねの成果で泣けるやつですよ。

V99案件の真相、それは攻撃意図のない宇宙船を誤解で撃墜したこと。仲間を殺された宇宙人は地球(青い星)に恐怖を感じ怪獣兵器を送り込み、地球人はそれに恐怖を感じて撃退する。そして互いにより強力な武力を用いて相手を排除する行為を繰り返す。それは…血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ…。これ、このブログをいつも読んでくださる方々には「これ(拳)じゃなきゃやりとりできないって悲しすぎるから」の方がわかりやすいかもしれない。この終わりない報復の連鎖を止めたのは持っている銃を下ろすこと。怒りのまま突入してくる相手に対して敵意はないと伝えること。それは綺麗すぎるかもしれないし、でも今の世界においての祈りのようでもあると思った。はたしてリアルの世界で生きる我々には未来へ繋げることはできるだろうか。*1

戦績のことで一部特オタにはいろいろ言われてぶっちゃけあいつらのいない場所に行きてえなと思うようになったのでX(旧Twitter)アカウントを爆散させることにした私の事情は置いといて、あの説得のためにアーくんの手は綺麗なままだったのだなあ。相手の血を浴びることなく敵勢力を撃退したことになるので大金星なのではないでしょうか。

最終回はあまりにも情報が多すぎて忙しねえなとも思ったのだけど、大特撮やら今の世界情勢を思わせるような戦慄と未来への祈り、皆無事に帰還できたことで満足感は高いです。

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ウルトラマンブレーザーという作品はヒーロー番組としてはかなり特異だったと思っております。それは主人公が既婚者子持ちなこととかヒーローがどちらかというと獣なこともそうだけど、私は「純度100%の悪がいないこと」が特にチャレンジングだったと思ってるかな。怪獣は生物としての本能に従って動いてる結果として人間の害になっているだけだし、カナン星人は母星が戦争で崩壊していて彼らなりの事情を抱えているし、セミ人間は計画を実行してから音楽を知ったことで自らの行動を後悔しているし、横峯教授は地球を思う心が行き過ぎてしまったわけだし、ハルノ参謀長は絶望的に言葉が足りないせいで誤解されてるだけでSKaRDのための根回しに動いていたし、ドバシも悪というよりは“間違えた者”なわけだし、V99の行動はむしろ地球側が原因だった。皆それぞれの考えで動いたことが結果的に衝突を招いている。そういう存在をただ悪者としてやっつければスカッとはするだろうけど「でもそれだけでいいの?」という疑問はあってほしいというのはこの頃の情勢とか考えても思うことではあります。みんながみんな手を取り合おうというのはさすがに絵空事が過ぎるとは思うし、でもぶつかり合わないようにはできないものだろうかと考えることはあるので。私がX(旧Twitter)から出ようと考えるようになったのもできる限り衝突を避けたいと思ったからなのかもしれません。

あとこれはブレーザーで初めてまたは久しぶりにウルトラに触れた人をいろいろ見たことで知ったことなんですが、ニュージェネのアニメっぽい演出やセリフ回しが苦手でこれまで立ち寄らなかった人が割といたようなんです。これはジードからずっと観てる私には気づけない見解だった。この“新しい層”はちゃんと大切にしていかねばならん。たぶんニュージェネってデッカーで一区切りになりブレーザーからニュージェネ2期のような状態になるのかなと思ってるけど、ここからの10年続けていくことでまたいろいろな変化が起こっていくのではないかな。願わくば自分も広い心で長い目で見守っていきたい。

…どうなんだろうなあ…推し俳優のデマをばら撒かれたことにブチ切れて仮面ライダーに立ち寄らないことを決めた私にそんな広い心が持てるんだろうか…わかんねえ…。

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本編で出なかった正体バレは劇場版であるのかが注目されてるけど私の場合上記に関連して「ゴンギルガンを生み出すダムノー星人は“悪”なのか?」の方が気になってる。


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来週からはブレーザーくんをはじめとして先輩ウルトラマンの活躍名場面を振り返りつつかわいいロボットセブンガーをパワーアップさせるお話をたぶん6月いっぱいまでやります。ブレーザーからあの枠に来てくれた人たちも観てくれると嬉しい。

 

ここからはこっそりと記すことなので小文字です。

f:id:asanem800:20240120142240j:image全25話2クールという短さは好きな作品ほどどうしても「ああいう話が観たかったなあ〜〜〜」という思いが出てくるものです。というわけで二次小説を書くことにしました。Privatter +に上げるつもり。

*1:それはそれとしてヴァラロンに対しては一斉放火なのわろてしまったけど。