浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

ザ・ハイスクールヒーローズ

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言われてみるとジャニーズと戦隊は相性が良いよなと思うわけですよ。共に華麗な動きのダンス/アクションをするし「SHOW」との親和性が高い。あと外野から見るとトンチキと笑われがちなことでも真剣にやってるところもあるかな。そういう状態でさらに東映としっかりと組むことにより雑なパロディに終わらず本気の戦隊パロディになっていたところが大変よかった。ジャニーズとかアイドルとかを食わず嫌いしがちなめんどくさい特オタ対策なんかわからんけど毎回戦隊レジェンドキャストを出すことで引きつけておくのも抜け目ない。

毎回登場する魔人はゴレンジャーの仮面怪人を現代風にブラッシュアップしてるんだけどストーリーへの落とし込みが上手かったですねー。特に白眉だったのはやはり黄金魔人。ゴレンジャーに最初に登場した黄金仮面を基に常に一番に拘る特性をつけ、「一番じゃなくてもいい」と思えた時に金メッキが剥がれてギンヒーローに生まれ変わるというの文脈の整理が良い。というか、6人のヒーローたちは10代の少年らしくそれぞれに過ちや苦しみを抱えてそこから解放された時にヒーローに“転生”できるという話運びになってるんだけどこれって本家の小さい子供が観る戦隊だとなかなかやりにくいかもなという気がするので深夜枠だからやれる深みという感じ。

その上でゴレンジャーではやっていないトランスジェンダーのモモや追加戦士といった要素をつけ、ゴレンジャーを真似たヒーローごっこからオリジナルの本物のヒーローになる構成、ベタといえばベタだけどアツい。こういうのが半笑いにならずにアツい展開になることこそ“本気のパロディ”なのですよ。8話で終わるのもったいねーなーと思うしこのキマった構成は1クール以内だからこそって気もするし悩ましいですね。でもこうして話数が足りないと惜しまれることこそこれが良い出来だったという証明なのかも。

ついでにゴレンジャーも貼っておこう。今東映特撮YouTubeで順次配信中なんだけど、時代劇や歌舞伎をベースにした痛快さと様式美、ハードとゆるふわが同時に送り出されて面白いですよ。

ところでこれを観て「今の本家の戦隊ってどんな感じなんだろう」と思った人が日曜朝にテレ朝をつけたら「柏餅中毒になった人たちがカシワモチカシワモチと鳴いて犯罪に手を染める」とか「ビルーッ!!と鳴いて襲いかかるビル」とか「漫画になったヒーローがそのまま戦闘に入って攻撃する」とか「テニヌ」とかを目撃するのか…ゴクリ…(緊張)