浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

マッサンとエリー、敵意に襲われる

予想はしてたけど何とも感想を書きにくい週だなあ。ちょっと隠し記事にします。

連続テレビ小説 マッサン Part2 (NHKドラマ・ガイド)

連続テレビ小説 マッサン Part2 (NHKドラマ・ガイド)

 

 

 敵性語 - Wikipedia

戦時中は英語を日本語に無理くり言い換えていたという話はよく聞いていたけど、あれが国家が決めたことではなく自然発生的に生まれたものだということは恥ずかしながら今回初めて知った。(ただし本編ではなく実況TLで)それを踏まえて考えると、今週マッサンたちを襲ったのは形無き敵意だ。しかも向けた当人たちはそれが正義だと思っている類のものだ。

現代日本の公共の施設の案内板にはよく日本語だけでなく英語、中国語、ハングルなど外国語も載っているけど、あれについて「日本が乗っ取られている!」とか言い出す向きが少なくないと聞いたことはある。そして、マッサンも最初に外国人ヒロインをオーディションで決めると発表した時に「史実を無視してあの国の女優にするに違いない!」とかTwitterで騒がれていたのを確認している。(羽原さんがパッチギ!の脚本だったことからそこで疑念が生まれていたらしい)

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横っ飛びナースキックがすごいよ!あと坂崎先輩がかわいいの!最初の優しい好青年も後から出てくる「ヒッピー」(←ネタバレ防止につき反転)も。劇中歌でオダギリジョーの歌う悲しくてやりきれないも出るよ!

私はなぜ全然関係ない記事でもオダギリの話をしたがるのか(仮面ライダードライブのサブタイトルっぽく)あとLOVE&PEACEの方は観てないんだ…わかりやすいでしょう…

別に国のことだけでなくいろんなことで誰もが敵意を持ってるよなー。美紀さんが格差のことでもエリーに敵意を持ってしまったように。あいつは悪い奴だから、あいつはそいつをかばったから、あいつは馬鹿にしたから、あいつは過去を消したがっているから、みんながあいつを嫌っているから、だから正義の心を持った俺たちが成敗しなければならないんだと。そしてその「あいつの悪業」とやらが根も葉もないウソなこともある。(こんなこと書いてる私もそんな立派な心を持っているわけでもなく、自分に悪意を向けた人やその人が属する集団を嫌ってしまったりということはある)戦時下という異常事態なら敵意は増幅されやすいのだと思う。こういうのは「対等に話し合えば解決するんだー☆」みたいな簡単なことでもなくて。

特高が悪役扱いとも言われたけど、あれは敵意が際限なく拡大された姿でしかないんじゃないかなと思ってた。一方助けに来た海軍が善人扱いなのかというとそうとも思わなかった。ドウカの工場が海軍に利する存在だから来ただけで、その行動は善でも悪でもない。最もあの大尉は現在ドウカウイスキーをこんなものかと言ってるけどそのうちデレると思っているww

上にあげたストーリーガイドの表紙のように、マッサンはこれからもエリーの盾になる。その手を離さないために。それではここで1話冒頭を思い出してくださ(おいやめろ)

というわけで今週の不満なところは史実でも軍の扱いでもなくてデコちゃんが1週で退場したことです!

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エマちゃん、学校であんな状態なのに友達失って今後どうなるんだろう。そして心を許せる人との仲を否定された時、彼女はどうなるのか。

時代ものの場合はよく史実をどれだけ反映させるかが評価基準になっているけど、それはジャンルによって違っていて、どのやり方が完全なる正解っていうものでもないんじゃないかと考えるようになった。朝ドラの場合はもともとが個人の人生の物語という枠で、だから時代の動きよりも登場人物の感情の流れを描く方が優先されるのかなと。それが人によっては唐突に戦争が始まってるみたいな感覚になるのかもしれない。時代の流れの中で動く人々を見たいならむしろ大河ドラマの方が向いてるのではないかと思ったけど…それよりも短期で濃い土曜ドラマの方なのかな。あっ、経世済民の男シリーズのハードルを今から上げてどうする。今のはなし!なしね!