浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

エルネスト

『エルネスト』オフィシャルブック〈もう一人のゲバラ〉

『エルネスト』オフィシャルブック〈もう一人のゲバラ〉

 
映画ノベライズ エルネスト〈もう一人のゲバラ〉

映画ノベライズ エルネスト〈もう一人のゲバラ〉

 

タイトルでこう出てるのはきっとチェ・ゲバラの名前で人目を引きたいんだろうなあとは思いましたが、正直これは映画の内容には合わない副題かと。そして戦争や政治が絡む難しい映画ではないかと引いてしまう人も多い気がしますが、これは純粋すぎる若者の青春映画です。このブログをわざわざ読んでくださる方々にとってキューバと言えば社会主義国とかアメリカとの国交とかよりもどこまでもどこまでも青い空が続く美しいパラデロビーチがある国ってイメージだろう???(決めつけ)そういう人の方がむしろいけるよ!大丈夫だよ!!!

日系人(not日本人)を全編スペイン語で演じたオダギリジョーさんがどうだったのかは当方はどうしてもファンの欲目が入ってしまい冷静な判断はできないと思いますが、例えばみんなで並んでいる時に普通に溶け込んでいるように思いました。

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Twitter新ヘッダー。イメージが掴みにくく、観る前にはどうも上手く描けなかった。(観て描いたこれが上手く描けたとは言っていない)

こういう戦争や政治が深く関係してる作品の場合思想的なことを言う人もいると思うけどご覧の通りのトンチキアカウントなのでそんなことは一切書かないよ!ガッカリしないでね!(`・ω・´)

ボリビア出身で医者を志してキューバで学ぶ日系人フレディ前村ウルタードは心の優しいピュアな青年。人のために、国のために尽くさずにはいられず奔走し続ける。そして信念を曲げられることは許せない融通が利かないところがある。日本で生きてる自分にとってはその姿はあまりにピュアすぎやしないだろうかとも思うのだけど、貧困や戦争といったいつでも死が側にある環境が彼を作ったと言えるのだろう。映画はそんな彼の姿を良いとも悪いとも断定せずにクールに淡々と映し出しているような気がした。

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圧巻だったのはやっぱり処刑のところですね。人のために尽くしてきたフレディが知らないうちに買ってしまっていた妬み。志半ばで斃れ、仲間と共に人知れず打ち棄てられる命。しかしその生き方は無駄であったのかというとそうではなく、生きて思いを繋いでくれた人たちがいる。副題は「もう一人のゲバラ」だけどそれはフレディ一人だけじゃなくて共に戦い散った全員なんじゃないかと思うんですけどねえ。この副題ちょっと齟齬を生んでしまいそうかなあ。