浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

ULTRAMAN:RISING(ウルトラマン:ライジング)


www.youtube.com

というわけで久しぶりのネトフリ一時的加入。出入りが楽なところがネトフリの良いところだと思ってるのでそのままでいてね。

 

ウルトラマンは街を守るスーパーヒーロー。ただやっていることは怪獣退治とは少し違っていて、重んじているのは“調和”。そして彼は人々を守ることはできてもすぐ側にいる家族の笑顔は守れなかった。それが20年前のこと。母と共にロスに移住し成長してメジャーリーガーになった息子ケンは負傷した父の願いでしぶしぶ日本に戻って読売ジャイアンツに入り、野球と戦いの日々に身を投じることになる。事前情報ではケンがどうやってウルトラマンになるのかよくわからなかったけど、そうですこれは世襲です!つまりケンは自分の夢に邁進してる中で親の願いで家業を継ぐことになったようなもので、これはとても厳しい。さらに怪獣ジャイガントロンとの戦いの中で卵を拾い、孵化した赤ちゃんを育てることになってしまった。

理想。

現実。

「子供って小さな怪獣」と大人はよく言うけれど本作はそんな概念をそのままやっている作品で、怪獣の赤ちゃん=エミは何かあれば泣きわめくしゲロ吐くしやってはダメと言われることをやりたがるしもう大変。ワンオペ育児を強いられるケンは本業にも支障が出てチームは連敗。阪神へのトレードへの話を出されるほどだ。でもシングルマザーで立場が似ている記者アミに話を聞いてもらうことで徐々に彼の心も変わっていき、エミに愛おしさを感じるようになる。

これまで観たウルトラとはかなり味わいが違っていて、怪獣バトルもカッコいい戦闘機も出るけど一番重要視されてるのは親子愛。子供はとても気ままに暴れ回るけど親の役に立ちたいとは思っていて、親は子供のためならどんな無茶でもできてしまう。私はそこまでアメリカの作品に触れていないのでかの国のノリというものがわかっていないのだけど、自分が観た作品の中では映画クレヨンしんちゃんシリーズの味わいに近いかもしれない。とても温かみのある作品でした。特オタがどう思うかは怖いのでその辺のことは見ないことにする。

親子愛については敵対する立場のオンダ長官も同じことで、彼は怪獣災害で妻子を失い地球の全ての怪獣を根絶するためにエミを使って怪獣島の場所を探そうとしている。暴走しているとはいえそれもまた愛ゆえの行動であり、運命の歯車が狂えばケンも父も同じ暗黒に堕ちていたかもしれない。でも彼らは調和を重んじるヒーローで、常に守るべきものと倒すべきものの選択を迫られる。それは尊いことであり、悲しいことでもあると思った。続編作る気まんまんのラストだったしオンダ長官生きててほしいんですけどねえ。ケンと思いは似てるのに立場が正反対なポジションの人は貴重よ。

演出については光が印象的だった。ネオンがギラギラ光る夜景、月明かりの柔らかく包み込むような輝き、昼の太陽の穏やかな光、エミを守るため怒りを込めて放たれるナイフのような鋭さを持つ光線。やっぱりアニメなんで鮮やかな光があるのいいよね!

えー、拙いのはともかくこのアニメが好きという感情が見える文章になったでしょうか。ちょっとこのコメントがあまりに「無」ではないのかと思い何の影響力も持たない人間だけど思いは記しておきたかった。