浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦〜とべとべ手巻き寿司〜


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毎年クレしん映画は観ていてめちゃくちゃ面白いし楽しいけど感想を書いたことなかったですね。オトナ帝国とかでものすごく深く語れる人々の存在を知ってるとこの場末のアカウントには手が出しづらかったというのはあります。今年の場合初の3DCG作品で特別感があるので何かシレッと入り込めるかなと思いまして。

Future is Yours

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  • Getting Better
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詳しいことは言えないのだがこの歌を貼らねばならんのだ!理由は映画を観ればわかる!

正直言ってクレしんのあの絵を3D化する意義ってあるんだろうか…と疑問を持ちながら映画館に入ったんですよ。それがすごく…幼児のほっぺたがぷるんぷるんしてるんですよ…。ヌルヌルすぎない、でも活きのいいプルプル…そしてツヤ肌…。ふたば幼稚園のシーンはそんなプルプル幼児でいっぱい…和む…まあ立てこもり事件に巻き込まれるのでそうそう和んでもいられないんですが…。

今回の敵役は非理谷充、いわゆる“弱者男性”。幼い頃から孤独を抱え、世の中に憎悪を募らせていたのが偶然超能力を得たことで暴走、ただその力の矛先が向けられるのは推していた女性アイドルとか幼稚園児とかでその…嫌な方向でのリアリティがヤバいなって…。ただしんのすけ・ひまわりと彼との超能力バトルの果てに発覚した彼の悲しみはかなり心に来るものがありました。さすがに両親の離婚まではないけど私も近い子供時代だったので。

怒りの矛先を他者に向ける“弱者”に寄り添い気にかけてくれる仲間がいたならここまで悲しいことにならずには済んだのではないかとか、そもそも彼らがその牙を向けた相手は本当に幸せな勝者かどうかなんて誰にもわからないじゃないかとかいうことをグルグルと考えたらブワーッとなってしまうのですよ。そういうのをクレヨンしんちゃんでやる必要はあるのかってのはわからないけどクレしんって歴史も長いので時にそういうドロっとした面がまろび出てくることはあるんですよね。でなければ殴られうさぎとか出てこんよ。そしてしんのすけは家族や友達の愛情に育まれて育った子なので闇に堕ちた者の心を掬い上げられるし、その闇を最後に止めるのは家族のために働くサラリーマンひろしの生き方来し方なのだ…まあその証が足の臭いを蓄えた臭い靴下ってあたりがすごくすごくクレしんですわ。非理谷と似たような人生だった人には辛すぎる可能性も高いので人に勧めにくいところもあるかなとは思うんですが心を抉るほどに力のある映画です。