浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

ナイツ・オブ・ザ・ゾディアック聖闘士星矢 The Beginning(吹替)


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80年代後半〜90年代に一大ブームを引き起こした少年漫画の劇場版をハリウッドで作るというのは大ニュースのはずでございます。*1ただその…この予告を観ても何かこうピリッとしない感じがあるというのか…何だこの感覚。

当方少年原作はジャンプ時代のみ読んでて*2、アニメは無印のとニチアサ枠でやっていたΩだけ観てました。そんな浅い認識の私だけど聖闘士星矢の売りとは星座モチーフのオブジェが聖衣(クロス)と呼ばれる鎧に変形するホビー要素と美麗なキャラクターによる華麗な技の応酬なのでは…?この映画どっちも…ない…」*3と思うわけでございます。そんな感じで「まあパスかなあ…」と思ってたんですが、

このツイートを見た私「執事ということはこのキャラは原作でいう辰巳のはずだが何だ銃撃接近格闘ドライビングテクニックって」辰巳徳丸、原作においては女神アテナ城戸沙織をサポートする執事。剣道3段。雑兵くらいなら倒せる。でももちろん聖闘士には敵わない。

このツイートを見た私「何だカシオス地下闘技場とか肉体改造とか」カシオス、原作においてはペガサスの聖衣を巡って星矢と争った男。しかし愛する女性のために文字通り命を燃やす“いい男”でもある。

こう、何か、絶対に知ってる聖闘士星矢ではないけど案外想定外のものが観られるのではないかという悪い好奇心が芽生えてしまいまして、ええ(ノ∀`)これは日頃ニチアサだったりウルトラだったりで過去作品のいろいろな要素を取り入れたり改変したりしながら次代に繋いでいくのを見ているというのがあるのか、私は「必ずしも原典そのままである必要はない」と思っております。言うて星矢って30年以上前の作品なので現代の常識とは噛み合わないところもあるだろう、その際に擦り合わせていく必要は出てくるだろうと。*4要は、説得力を持った改変をして、突き抜けた魅力を出せたらいいんだ。文句を言う人はいても新規層を掴めるかもしれない。…まあそれって原典そのままやるよりずっと難しいことなんだけど。でも「原典そのまま」でもただのコピーに終わってしまってエンタメとして面白くないなんてこともあるんだよなー…。

さて長々と前置きを書いたけど、ではこの映画は良かったのかというと…まあー…何か「惜しい」という感じでした。終始内輪揉めで話が進んでいくのでハリウッドなのに小じんまり感がありまして。アクションはカッコよかったし爆破もお金かかってて大規模だったけど「アメコミ映画はもっと規模を大きくするな」と思うことが多かった。辰巳(この作品ではマイロック)は謎にカッコよかったので変な笑いも出たけど。ただ決して酷い出来ではありません。というか酷い出来だった方がコナンとマリオの一騎打ちみたいになってる現状で少しでも人目を引いたのではないかとさえ思う。原作及びアニメ版と現代のヒーロー映画の作風を擦り合わせようと真面目にやってるのは感じるんだけど、それゆえにもう一歩突き抜けが足らない感じに思えた。

今回原作のメインキャラで紫龍・氷河・瞬がまさかのオミットされてるんだけど続編を作る気満々のラストだったので彼らは追い追い出てくる予定なのではないでしょうか…続き…作ることができるのかなあ…。

*1:なおハリウッドで作るといっても制作は東映アニメーションです。

*2:チャンピオン移籍以降とか派生作品には触れていません

*3:この映画ではオブジェではなく小さなペンダントが聖衣になります。

*4:たとえば女性聖闘士は仮面をつけなければならず素顔を見られたら相手を殺すか愛するかしかないというあの設定って今そのままお出しするのはまずくないっすかとは思うので。そのせいか、Ωではつけたい者はつけて外したい者は外していいということになってたなあ。