浅羽ネムの長いひとりごと

誰かの言葉に乗っかるのではなく自分の言葉を紡ぎたい。

機界戦隊ゼンカイジャー〜繋がれ、いろんな世界〜

トジテンド。世界を閉じ込める者。圧政で民を苦しめ押し潰す者。

ゼンカイジャー。世界を解放する者。自由でポジティブな精神が圧政に苦しめられていた者たちの心を解きほぐし、理不尽な暴力に立ち向かい他者と繋がる心を育んでいく。

介人たちがもともと生きてきた世界とキカイトピアが混ざり合った世界は違う種族が当たり前に手を取り合い、助け合い、友になり、恋をしている世界。トジテンドの圧政に苦しんでいたキカイノイドたちはその優しさと自由に触れて戦う勇気を知った。テレビを観ている私たちの世界が荒れ狂ってしまっている今、その光景は泣けてしまう。まあ毎週おかしなことが起こりすぎてるのでなかなか気づけないのだけど(ノ∀`)

特に最終カイ、100以上もの世界と友好関係を結ぶゼンカイトピア(介人たちの世界)はあまりにも理想的で今この番組を観ている子供たちに残してあげたい世界だったし、トジテンドが滅んで再建を目指すキカイトピアはまさしく独裁政権に傷つけられた国の姿そのものだったのでボロボロに泣いてしまった。毎週狂った話ばかりやってたゼンカイジャーやぞ。ゼンカイジャーは正気の頭で狂気をお出ししてくる戦隊です!ある意味でこれまで送り出された数々のギャグ戦隊より怖いよ!是非とも脚本会議の様子を映像で見たかったしダメならせめて会議中に焚いていたハーブの種類を教えて欲しかったですね。(ハーブを焚いてる前提で話すな)

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45作品記念作としてどうだったのかというと、まあその、楽しい面とあかんやろという面が半々だから評価に困るというのが正直なところ(ノ∀`)まず先輩たちを立てて尚且つ自分たちの物語をやるという“真っ当な”記念作は既にゴーカイジャーがあるという大前提があります。

asanem800.hatenablog.com

私ゴーカイチェンジはレンジャーキー片手に原典通りの戦いを再現するもよし、自分で考えた独自の組み合わせをやってみるもよしの“たのしいブンドド”だと思っております。一方でセンタイギアでやっていたのは“お行儀の悪いブンドド”ではないかと。最初のうちはニンニンジャーなら忍術を使うしジュウオウイーグルなら空を飛ぶといったまともな再現だったはずなんですよね…気がついたらジェットマン最終回パロディコントが始まっていて…。回が進むたびに戦隊の解釈が良く言えば自由、悪く言えばネット媚びみたいなことになっていったのどう…評価したらいいもんかと…。「取り返しのつかない不幸に見舞われた3人」に至っては笑うにしろ怒るにしろあれに反応できるのは特オタだけだよなあ、ちびっ子置いてきぼりすぎんかと思ったし。

ただゴーカイジャーの方向性であってほしかったかというと、ゴーカイはゴーカイで良い作品だけど、あのタイプを今1年間やると絶対特オタがあの人は出たあいつは出ないとか騒ぎ出してデマをばら撒いてジオウと同じことになるでしょ?それに付き合いたいとは思わないよ?*1戦隊は商業的な事情も絡んで今後もレジェンドを取り扱うことになりそうだけど、オリキャスに頼りすぎないやり方を模索していてほしいなと思います。

良かった面良くないと思う面どちらもあるんですが、でもあの優しい世界観は大好きでした。傷つけられた市民が「ゼンカイジャーがいるからまだこの程度で済んだんだ」と逆にヒーローを気遣う光景を見たのは初めてよ。この優しさがいつも根底にあったから付き合っていけたと思います。1年間優しさと楽しさをありがとうございました。

ところで後番組ドンブラザーズを観るかどうか、実は迷ってます。事前に出ているPVや会見動画を観ても「新しいことをやりたいんだろうな」ってのは感じるんですが何かピンとこない、ワクワク感がないって思っていまして。刺激物を2年続けられるのは飽きがくるんだよなとか井上脚本だと市民の倫理観がかなり低いよなあとか別に平成ライダーノリを求めるつもりはないんだよなってのもあるんですが、一番大きいのは東映セクハラ過重労働問題について東映からの見解が全くなく、進展もしていないということです。もしかしてこのままノーコメントを通してそんな問題存在しないと言い張るつもりでいらっしゃる…?という気持ちが大きく、新番組を楽しもうとする心持ちになりきれていないように思います。1年間視聴を休んでみて改めて様子を見ることになるかも。さすがに1年経ったら状況が進展してると思いたい。

*1:仮面ライダージオウはそういうデマにうんざりして半年で脱落、当方的には公式もファンも一丸となって裏切り者を炙り出して叩け!ってやってたシリーズにしか見えていないしいつまで平成平成言ってるんだろうと思っている